東京大学入試問題解答・解説
<目次>
東京大学入試問題解答・解説
<目次>
合格体験記・授業テキスト・解答速報|世界史専門塾 ゆげ塾
上智大学世界史の特徴
クセが強い宗教系大学
《 連続受験が極めて有利 》
まず、大事なのは、問題の作成が中央委員会方式であるということだ。
これは、各学部で問題を作るのではなく、
中央に集められたメンバーで、その年の問題を量産することになる。
つまり、2/2も、2/3も、2/4も、2/5も、2/6も、2/8も
同じ出題者、同じteamであることが、極めて強く推測される。
故に、問題が似る。
実際、年ごとに問題が似ている。
この作成方法は、世史だけでなく、他教科もそうであり
故に、上智は連続受験が有利になる。
ちなみに、立教も同じだ。
少なくとも、世界史に関しては
試験直後に、その日中に復習をして、その周辺の用語集を読み込む。
《 用語集は、絶対、山川 》
作問にあたっては、山川の用語集が使われている。
正誤問題の文章は、山川用語集から、
そのまま抜いてある場合がほとんどである。
《 作業が複雑 》
例:正解を全て選びなさい。
例:正解が無い場合は、(f)を選びなさい。(2020は登場なし)
問題を読まずに、選択肢に飛びつく受験生が、毎年多数散っている。
上記は、まだわかりやすい方で、地図と絡めて複雑な形式が多い。
こういうのはスポーツと同じく、慣れが必要なので、
入試直前に、二回目になってもいいので、前年の問題を解いて、
慣れておくこと。
《 地図・地理の問題が多い 》
世界中に布教しまくったイエズス会が作った大学なだけに
地図問題が多い。
直接、地図がでないとしても、
地理を聞く問題が多い。
《 宗教関連の問題が多い 》
上智大学は、上智大学が大好きだ。
2020年のteapでは、
イエズス会のザビエルだけの長文を読ませ、
200字、350字を書かせている。
以下の様な問題が度々出される。
修道院の付属機関であった大学とか、
地図を絡めた宣教師の活動とか、
三位一体説とか、
イスラムの教義とか、
ユダヤ人の歴史とか。
特に、
13世紀のモンゴルに派遣された宣教師や
明末清初のイエズス会の科学技術と中国名は必須。
基本、マークなので、書き取りは不要。
これらを意識して、
資料集の地図部分と山川用語集を読み込む。
《 問題量が多い 》
百問問題と言われている。
上智teap入試(世界史)
2020/2/2(日)
ザビエルに関する長文をベースに、大航海時代から多く出題された。
相変わらず地図を聞く問題が多かった。
ほとんどがイエズス会関連の出題になった。
試験時間は90分。
正誤問題は6問のみだが、200字と350字の論述は手強い。
地図問題なし
上智teap世界史 2020/2/2 速報・解答解説(ライブ未編集)
設問01 正解は(b)
(b)が正文正解。
(a)は誤文。インド洋におけるポルトガルの交易都市はゴア。
(c)と(d)は誤文。ゴアは1961年にポルトガルからインドに返還。
ネルー首相がゴアを占領した。
設問02 正解は(b)
(b)が正文正解。
(a)は誤文。マラッカ王国自体がイスラム国家。
(c)は誤文。オランダ東印会社の香辛料貿易の拠点はバタビア。
(d)は誤文。マラッカが英領になったのは1824年。
少なくとも、ナポレオン戦争中である19世紀初頭に、
東南アジアで英国がオランダの植民地を取った事を思い出して。
設問03 正解は(a)
(a)が正文正解。
(b)は誤文。マカオの併合は1887年。
(c)は誤文。香港の英領化は、アヘン戦争南京条約1842年
(d)は誤文。マカオは形式上、中華人民共和国領。香港と同じく、一国二制度。
設問04 正解は(c)
まず、広東地方の広州市という認識が大事。
(c)が正文正解。
(a)は誤文。市舶司の第一号は唐。上述の通り、広東地方の広州市。
(b)は、明代の南海交易は、広州に来たポルトガル人が主体。
ムスリムは唐末黄巣の乱で大虐殺を受けてから、中国に入らない。
(d)は誤文。広州国民政府成立時は、孫文は死んでいる。
広州国民政府の首班は蔣介石。
設問05 正解は(c)
(c)が正文正解。
(a)は誤文。マテオ=リッチは苦戦している。難問。
(b)は誤文。幾何原本はマテオ・リッチと徐光啓。宋応星は天工開物。
(d)は誤文。崇禎暦書の完成はアダムシャール
設問06 正解は(d)
(d)が正文正解。
(a)は誤文。最古の大学はボロボロのボローニャ。
(b)は誤文。カルヴァンは神権政治を展開。
(c)は誤文。三部会の開催は、ヴェルサイユ宮殿。
設問7
主題:その動きとは、具体的にどのようなものであったのか。
「このお方を取り巻く世界」
つまり、ザビエルの時代の世界を書け・・・ということ。
ゆげ答案2020/02/02 15:21
その動きの一つは、レコンキスタの延長線上にある大航海時代が展開していたことだ。確かに、イベリア半島から、イスラーム教の駆逐を目指したスペイン・ポルトガルの国家事業は完成した。しかし、その宗教的情熱は、その完了に止まらず、新大陸やアジア等に向けられ、大航海時代の要因の一つとなった。また、国家だけでなく、カトリック教会自体も、この時期、対抗宗教改革を展開していた。その一環として、イエズス会が結成され、ルネサンスによる科学技術を手土産に、宣教師が大海原に命を使う世界であった。(237字/200字程度)
2020/02/02 21:17に日本語を若干修正
2020/02/03 09:49に日本語を若干修正
採点要領 ゆげ案
以下、4点を超えない範囲で
a レコンキスタへの言及で「国家事業」を使う
b レコンキスタへの言及で「イスラーム教」を使う
c 対抗「宗教改革」で、特に布教に熱心な時期であった。
d 「大航海時代」で、特に布教に熱心な時期であった。
設問8
主題:
「香料と霊魂」といった受け止め方が一般的な理由は?
また、解答者自身は、そのような受け止め方に関してどのように考えるのか?
ゆげ答案2020/02/02 15:21
「香料と霊魂」といった受け止め方が一般にみられる理由は、宣教師が、単なる布教に止まるだけでなく、政治的・経済的な活動をした宣教師が存在したからである。また、「侵略の先兵」という言葉で批判されているとおり、その支配は精神的なものだけでなく、欧州の政治勢力をその地に誘導することもあった。以下は、解答者自身の考えである。宣教師達は、自らが「香料」を求めた訳ではないと思う。しかし、教会は、船を準備する経済力も、船を守る軍事力も持っていない。逆に、世俗は人心を掴む知識・権威を持っておらず、官僚としての聖職者の協力も必要とした。故に、大航海時代においても、中世ヨーロッパのように、聖俗の協力関係は必要であった。つまり、「霊魂」のために、「香料」を結果的に得てしまった事もあった、自身は考えている。(345文字/350字程度)
2020/02/02 21:24に日本語を若干修正
採点要領 ゆげ案
a 宣教師が、政治経済的な活動に及んだ(侵略の先兵)
b 布教のためにも、香料のためにも、聖俗の協力は必要だった。
以上
2020/02/02(日) 15:29 現在 試験終了後2時間29分後
注意:
以下の問題における書き込みは問題提供者のもので
ゆげ塾の解答ではありません。
ちなみに、以下の答案作成者は、teapに合格しました。
上智法学部法律学科・総合人間科学部社会学科
外国語学部・フランス語学科・イスパニア語学科
ロシア語学科(世界史)
2020/2/8(土)
論述 なし
地図問題
エフェソス
アフリカ分割
大問Ⅰ
まるまる古代インド(特に宗教)穴埋めは基本的だが、最初の青銅器時代は難しいかも。
大問Ⅱ
三位一体説・ザクセンのカトリック化・ミケランジェロの「最後の審判」、十字軍、デーン人度々出題、叙任権闘争、ウィクリフ。
大問Ⅲ
30年戦争が主題。穴埋めは基礎的。カール4世、第2次ウィーン包囲の年号、ステンカ=ラージンの乱勃発年は難しい。重商主義の出題は綺麗ではない。解答が割れる可能性がある。ウィーン包囲の出題が多い。ケプラはプラハで活動。プラハ関連の出題が目立つ。コシュート、スラブ民族会議。ドイツ騎士団の形成
大問Ⅳ
アフリカ分割が主題。露仏同盟を1891でなく、1894で聞いている。
1880年代の仏領化は難。ビルマルクは植民地獲得に消極的。ゴードンの戦歴。