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合格体験記

京都大学文学部 笈川侑也(おいかわゆうや)


歴史学者志望の笈川君。ゆげの今までの講師歴の中で、最も知識量が多い生徒でした。二次直前の論述授業では、笈川君に完全に討論で負けました…もはや、彼のレベルは受験生ではない…ゆげの屍を乗り越えて偉くなってくれ…




☆高校名


足立学園高等学校文理科(一応、選抜クラス)





☆合格校


京都大学文学部(進学します)


早稲田大学文学部


慶應義塾大学文学部


中央大学文学部(センター利用)


明治大学文学部日本史学科(センター利用)


日本大学文理学部史学科(センター利用)





☆不合格校


慶應義塾大学法学部政治学科A方式(センター利用)





左ゆげ・右笈川。笈川君との論述授業での討論は、生徒ではなく、同業者と会話しているぐらいの気持ちになりました。特に、日露戦争に詳しい。





☆センターの点数(自己採点)


英語182   

リスニング42   

数学ⅠA56   

数学ⅡB87  

国語141   

日本史100   

政治経済79   

生物81   

総合768/950





☆資格・特技・部活・委員会活動など


資格:ニュース時事能力検定2級 英検3級

特技:何でしょうね~。4歳の時に覚えた東海道線の駅名を全部言えるとか?(鉄道オタクではありません)

部活委員会活動:高1までソフトボール部





☆高校での成績


評定4.2 

中間期末テストは無勉強で受けました。結果は・・・あんまりよくなかったですね。こんなにいい成績がついたのは自分でもびっくりです。




高尾山を歩く。左から、鈴木(一橋・商)・松田(日大・法)・笈川




☆模試の成績


【河合塾】(学校指定)


全統マーク第一回 科目のとなりは得点、()は偏差値


英語173(69.4)数学IA 98(65.5)数学ⅡB82(60.1)国語144(67.6)生物96(71.1)


日本史92(76.6)政治経済78(69.3)総合763(72.2)


東大文三C 京大文A 一橋社会A


全統マーク第二回 上記の通り


英語186(72.8)数学ⅠA85(64.4)数学ⅡB73(61.5)国語168(68.8)生物79(65.0)


日本史88(74.3)政治経済85(74.9)総合764(73.8)


東大文三B 京大文A 東外大ロシア語A


全統記述模試第一回 (自分の得点)/(配点) ()の中は偏差値 


※合算はマーク模試との総合での判定


英語160/200(72.2)数学ⅡB151/200(64.1)現古漢104/200(64.6)


日本史83/100(70.3)世界史88(75.9)総合(69.4)


東大文三C(※合算でC) 京大文C(合算でC) 一橋社会B(合算でB)


全統記述模試第二回 上記の通り


英語129/200(66.2)数学ⅡB152/200(65.6)現古漢109/200(64.9)


日本史92/100(73.2)世界史88(74.9)総合(69.0)


東大文三C(合算でC) 京大文D(合算でC) 阪大文B(合算でB)


【駿台予備校】(特定大模試を受験)


第一回東大実戦


英語39/120(42.2)数学12/80(40.0)国語41/120(47.5)


日本史43/60(74.1)世界史13/60(47.6)総合148/440(46.8)


東大文三E


第二回東大実戦


英語74/120(56.9)数学14/80(41.4)国語44/120(48.0)


日本史29/60(59.8)世界史44/60(68.9)総合205/440(55.2)


東大文三C 東大文一C


第二回京大実戦


英語65/150(48.3)英リスニングあり91/200(50.2)数学23/150(41.4)


国語44/150(46.6)世界史86/100(69.8)総合(文)210/500総合(総人)252/650


京大文C(52.6) 京大総合人間D(51.2)


模試について


東大実戦の1回目は緊張していたので全く問題に手が出ませんでした。(今思うと本番より緊張していた) 

日本史だけは実力を発揮できたかなと思います。


2回目はそれほど緊張せずにできたのですが、第一問の現代文が40点中6点(漢字で4点)しか取れずに国語失敗しました。1回目2回目ともに数学は計算ミス連発しました。


京大実戦で初めて京大形式の国語を解きました。世界史で漢字ミスが多かったのが悔やまれます。


これらの模試はしっかり復習しました。





☆合格までの戦略


 中学三年生のときに志望校(東京大学文科三類)を決めました。理由は友人の「うちの学校からじゃ東大は出ないな」という発言を腹立たしく思ったからです。小学生のころから歴史が好きで将来は社会科の教員か予備校の講師をしたいと思っていたので文科三類にしました。(もちろん文三が一番入りやすいということも理由のひとつです)中三のときの成績では東大は無理でした。学校が中高一貫ですでに数学ⅠAを学んでいたので、学校で高一用の河合模試を受けたのですが三教科で偏差値50ぐらいでした。中学野球部を引退して毎日学校の授業だけで放課後暇だった私は大学受験について考え始めていました。「今から何をすればよいのか」とか「どのように成績をあげるのか」についてじっくり考えました。この時間をとれるのは中高一貫の利点でもあります。自分なりの結論は、①予備校に高一から通う、②高一(遅くても高二)までに日本史世界史の通史を終了させる、③成績が足りなくてもハイレベルな授業を受けられる予備校を探す、でした。東大受験(京大受験も)には地歴が2科目必要です。暗記は幼児期から自分でも信じられないぐらい得意だったので先に地歴の基礎を入れてから英数国を勉強しようと思いました。この決断が良くも悪くも受験終了時までの私の運命を決めたと言ってもよいでしょう。結論②のおかげで地歴に困ったことはありませんが、数学と国語に最後まで苦しみました。


 ここで、読んでくれている方へアドバイス。大学受験においては何事も短期間によく考えてから結論を出し、すぐに行動に移った方がよいと思います。先手必勝です。


 次に予備校探しについてですが、私はパンフレット収集から始めました。大手の予備校をはじめとして約10の予備校のパンフレットを見比べました。結論②③を達成できることと有名進学校の生徒でなくても難関大学に合格していることも選ぶ基準にしました。第一候補だったのが早稲田塾でした。しかし早稲田塾は東京都神奈川県にしか校舎がなく、自宅から通うのは大変だったので、ほかにY谷学院や河合塾も見学したり春期講習を受けたりしました。でも三年間飽きずに通うことができるのはどの予備校かという視点を加えたときに答えははっきりしました。早稲田塾は他予備校とは比べ物にならないほどカリキュラムが豊富で、何より授業が楽しそうでした。こうして私は早稲田塾に通うことになったのです。


 早稲田塾に入ってからは戦略通りに勉強を進めました。高一の時から日本史を受講し、夏明け以降は世界史も受講しました。4月の段階では英数国すべて50ぐらいだった早稲田塾の模試の偏差値が冬頃には65~70まで伸びました。やっていたことは授業の予習復習を徹底的にすることだけです。ほかに特別なことはやっていません。高一ごろではほとんどの生徒が受験勉強を始めていませんので、すこしでも勉強すれば簡単に成績は上がります。


 高二の時は日本史世界史を極めることに重点を置きました。そのために数学がおろそかになり少しずつ苦手になってきました。模試の成績ではそれを認識することはできませんでした。模試はさまざまな大学を志望する人が受けるので問題も全員が満足するように作られているため簡単な問題も多く、それが解けてしまえばある程度の偏差値は出てしまうからです。数学の復習はしっかりしていたつもりでしたが、解けない問題が増えていきました。


 結果として現れたのが高三の時の早稲田塾の選抜テストでした。東大一橋大数学の選抜試験に三回すべて落ちてしまい、前期は受講することができませんでした。前期はほかのクラスで多少簡単な問題(と言っても難関私大~国公立の問題)に取り組み実力をつけました。復習も今まで以上にこなしました。問題と解き方と答えすべて覚えるまで問題を解きました。前期だけで復習用のルーズリーフを200枚ぐらい使いました。そのおかげで夏の選抜テストで合格することができました。後期以降は記述答案の書き方を中心に勉強し、担当の先生に添削してもらいました。


 次にほかの教科です。高三の4月には学校の授業を含めて日本史が2週半、世界史が2週近くと半周ほど通史が終了していました。東大の日本史は理解力が試される問題なので因果関係や影響、結果を意識しながら復習をしました。過去問は25年以上やるつもりだったので5月ごろから少しずつ解き始めました。世界史は学校の授業で演習をたまに行っていたのでそれを活用しました。東大の世界史は日本史と比べて知識があれば何とか対応できる問題だったので学校の授業を中心に復習して強化しました。国語は学校の授業が入試の対策となったのでそれをまじめに受けました。過去問はセンター後から始めても25年分できると言われていたのであまりやりませんでした。


 センター試験の対策は主に7月と11月以降にしました。5月の模試は実力で受けました。8月の模試に向けて政経や生物の勉強を合間の時間にしました。これらの科目は学校の授業の中で完成させようとしていました。生物だけは最後まで伸び悩みました。11月で学校の授業が終了し12月初旬からセンター対策を本格化させました。二次の対策は塾の授業の予習だけにして(復習はあまりしませんでした。)一日の勉強時間の8割ぐらいセンターの過去問を解いていました。最初は政経と生物を中心に勉強しました。これが失敗でした。1月になって勉強する量が減って、少し忘れてしまいました。また国語には一番時間をかけました。センターの過去問は9月から一週間に一年分ずつ解いて20年分すべて終わらせました。12月以降は解きなおしをするとともに追試験や模試の問題や予想問題集も解きました。だいたいすべてあわせて45問~50問ぐらい解いたと思います。その結果はセンター一週間前に解いた河合塾のセンター予想問題のパックとZ会の予想問題で発揮されました。河合のでは全部で93%、Z会のでは91%取れました。しかし本番ではかなり緊張していて本領が発揮できませんでした。





☆勝因


センター:失敗したので特にないです。ただ日本史のケアレスミスがなかったことは唯一の救いです。


私大と二次:私大は塾のテキストに問題が入っていて、早い時期から解いていたので慣れがあったと思います。二次はセンター後に集中的に仕上げたのが勝因です。とにかく量をこなすほうがよいと思います。国立の問題は良問ばかりで質は担保されています。本番は数学ができたので合格できました。文系では数学が合否を分けます。早めの対策を。




2 期生で千葉県民集合。左から笈川/古田(あと 1 年)/小柴(立教・社)




☆敗因


センター:暗記科目の勉強を先にしてしまい直前になって忘れてしまったことです。本番では会場の雰囲気に飲まれないように。


私大と二次:特にないです。ただ時間がないからといって焦りすぎると正確さが落ちるので冷静に問題と向き合うほうがよいと思います。




高尾山にて蛇を囲む。左から、笈川/樋口(早大・商)/深井(早大・法)/高田(慶應・経済)/山田(明治・情報)




☆ゆげ塾の活用法


 論述中心。というより論述の授業自体ほとんどなかったので、ゆげ塾ではいわゆる『ツチノコ』状態でした。二期生も私のことを知らない人が多いです。でもゆげ先生にはお世話になりました。論述添削の授業を通じて土地制度や経済政策などに関して深い知識を得ることができました。特に参加人数が私一人だった時の授業では、理解力のない私が理解できるまで丁寧に説明してくださいました。





☆他塾・学校の活用法


 主に早稲田塾に通っていました。高1の4月から通い始めて受験に必要な教科は少なくとも一回は授業をとりました。特に日本史世界史は高1から始めて高2までの間に通史を一通り終えました。



【学校】


 学校は国語と世界史と政経と生物以外授業を聞いていませんでした。定期考査も実力で受けました。その代わりしっかりテストの復習はしました。




笈川が作る焼きそばをのぞき込む深井。プロ並か、それ以上の技術。こんなに、うまい焼きそば、食べたことがない…




☆お薦めの参考書・問題集


いっぱいあります(笑)


<英語>


『英文標準問題精講』(旺文社)


『英語頻出問題総演習』(桐原書店)

早稲田塾の授業以外の自習でこの二冊を高2からやり始めました。(高1のときは塾の復習以外しなかったので・・・) 高3の受験期になってもずっと使い続けました。電車での移動中はもっぱらこの二冊の確認か歴史の復習をしていました。


『京大の英語25カ年』

センターが終わって(いろいろな意味で終わって)から死ぬほどやりこみました。でももちろん25年だけで終わったわけではありません。




・京大の過去問(1967~71、76~1982)と後期(1996~2002)

こんなに英語ばっかり勉強した愚か者をいないと思います。もちろん手をつけ始めたのはセンター後です。これだけ自分は勉強したというのが本番当日の(やや過剰な)自信につながりました。入手方法は秘密です。聞きたければゆげ塾に来てください。


京大の英語は和訳と英訳しかありません。和訳問題は文脈を把握し自分なりに理解してからでないとなかなかうまく和訳できません。つまり内容を理解する必要があるため総合的な英語の能力が問われます。京大志望でなくても十分に解く価値のある問題が揃っています。和訳がある大学を受験する方はぜひ解いてみてください。おすすめは2008年と1998年です。英作文は逐語訳ができない日本語の文章が出題されるため、日本語の正確な意味を理解して自分が知っている英単語に置き換えることが要求されます。そのために日ごろから日本語を正しく使うように心がけ、知らない日本語の単語やことわざを辞書で調べておくことをお勧めします。




<国語>

国語は学校と塾に頼りっきりだったので過去問しか紹介できません。国語苦手で最後までだめだったのでえらそうに語れることはありません。



『京大の国語25カ年』


これも一応全部手をつけました。あとは後期の過去問を3年分解きました。


<数学>

もともと数学ができなかったので量をこなして他の人に追いつく努力をしました。高1高2は問題集で、高3のときは早稲田塾の授業の予習復習に追われました。授業のおかげで数学の問題が少しずつ解けるようになり、入試前には「どんな問題でもかかってこい!」と思うことができるようになりました。


センター試験は過去問を高2の終わりごろから解き始めて、高3の前期に10年分ほど終わらせました。夏以降は、


『マーク式総合問題集』(河合出版)

を使って対策を行いました。この問題集は過去の河合塾全統マーク模試を収録されています。これを全部2回ずつ解きました。



<地歴>

・過去問


これが一番重要です。解いた後は時間をかけて、結果の分析やこれからの学習計画の立案、(固執しすぎてはいけないが)傾向の分析を行いましょう。


『世界史B標準問題精講』(旺文社)

私大型の問題集です。基本的な論述問題も含まれています。全範囲を網羅し志望大学までの距離を確認するには最適だと思います。巻末の参考資料も役立ちます。


『詳説世界史論述問題集』(山川出版社)

国公立向けの問題集です。三人で書かれているため客観性があります。三人のうち二人は歴史学の教授なので予備校講師の視点ではなく大学側の採点の基準が取り入れられていると思われます。通史とテーマ史の問題が含まれており、それらがほかの問題集より大量に入っているのですべて書くのには時間がかかるため早めに始めるのがよいと思います。




バスに乗る笈川。合宿初日のみ参加で、夕方から、直接京都へ。深井と高田と宮内でバス停までお見送り。握手だ、抱擁だ、の後、手を振られながら、いざバスへ。なんと、その後バスは 10 分も動かず…写真は気まずそうな笈川…




☆これからの大学生活への想い


 大学では歴史学を中心に研究をしたいと思っています。まずはロシア語をしっかり学習して語学力をつけ、史料の講読をやってみたいです。将来は大学に残って研究をしたいのですが、たとえそれができなくても大学で学んだことを活かすことができる天職を見つけたいと思います。





☆さいごに


 最後まであきらめないことが大切です。しかしセンター後はしっかり自分の点数を鑑みて国公立の出願をしてください。センター後に志望校変えてもきっと大丈夫ですよ!






2010年3月25日時点での記録です。


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